スイーツ店を経営するには?~店舗探しから開店準備まで~元スイーツ店経営者が一から解説!

皆さん、こんにちは。虹 社長です。

今回はパティシエさんやスイーツ店での働いたことがある方は考えたことがあるスイーツ店の経営方法について、
物件の取得から、各種契約について解説していきます。

スイーツ店を開店しようとしても、出店する店舗やその他の必要な契約が多くて、何をしたら良いのか分からないですよね。
この記事では、経営経験が全くない方でもしっかりと開店できるように詳しく解説していきます

スイーツ店を経営するには

スイーツ店をはじめとする飲食店を開業するためには、必ず行わなければならないことがあります。
それは資格を取得することです。

資格を取得していなければお店を持つことができても営業することができません。
この必要な資格は「食品衛生責任者」「防火管理者」です。

また資格を取って終わりではなく、しっかりと保健所や消防署での手続きが必要なのです。
この点を踏まえて、もう少し詳しく説明していきます。

資格の取得法

「食品衛生責任者」「防火管理者」の資格は一見難しそうに思えますが、実は誰でも簡単に取得できるのです。
簡単と言うと、特定の講習会を受講するだけで取得できるのです。

でわ、それぞれの講習会の受け方から説明していきます。

「食品衛生責任者」の取得法

●食品衛生協会で講習会のネット予約(1カ月前)

●講習会に参加(1日)

→資格取得

「防火管理者」の取得法

●防火・防災協会で講習会のネット予約(1カ月前)

●講習会に参加(1~2日)

→資格取得

講習会を受ける時、特定の免許を取得していれば講習会を受ける必要はありません。(ex調理師免許など)

また、防火管理者に関しては、「甲」「乙」がありますが、「甲」を取得してください。
5年に1度講習会を受ける必要があると、ネット上で記載されていますが、定期講習会を受ける必要は基本的にありません。
(※大規模な施設の防火管理者の場合に必要なだけです。飲食店レベルでは不要です)

仮に「乙」を取得してしまった場合、収容人数が30人を超える店舗の場合は営業できませんので「甲」を取得してください。

物件取得方法

では次に気になるのは、どのように商業用の店舗を借りるかですよね。

不動産契約はかなり複雑ですし、商業用不動産は住居用と違って、不動産会社に直接赴いて物件を探したりはしません。と言うのも、「住居用の不動産」と「商業用の不動産」を取り扱っている企業は異なり、不動産会社に足を運んでも物件を紹介してもらえないのです。

でわ、どのように物件を調べるでしょうか。

答えはネット検索です。「飲食店テナント」などのキーワード検索をすると、商業用不動産を掲載しているサイトが見つかるはずです。
この掲載サイトは地域によって全く異なりますので、独自に調べてください。
(※都内の場合ですと「飲食店ドットコム」「テンポスマート」などがあります)

掲載サイトに良い物件が見つかれば、メールや電話で問い合わせると、取り扱い会社の方からメールが届きます。
(※商業用不動産は基本的にメールで問い合わせます。電話対応できないところが多いです。)

メールが届くと、店舗の詳細情報が送られてきたり、内見予約なども行うことができます。
内見予約で気に入った場合、契約に進みます。

ここまでで、少しややこしいと思いますので、物件探しから、契約完了まで時系列で説明します。

商業用不動産の契約完了までの流れ

契約2カ月前

●サイトで物件を探す

●物件の問い合わせをサイト経由で行う

●物件の情報が届く

●内見予約を行う

契約1カ月前

●物件の内見を行う

●良い物件が見つけり、物件を決定する

契約3週間前~契約1週間前

●担当者に渡された契約書のサインを行う。

●契約日の調節

契約日

●不動産の本社へ行き、本契約を行う。

商業用不動産の契約は、住居用不動産と大きく違うところは、契約するまでに必要な時間・労力が全く違うことです。

住居用不動産は1週間あれば契約できますが、商業用の場合は2か月かかります。つまり、良い物件が見つかったから、すぐにお店をスタートできるわけではないのです。
しかも、良い物件は物件が紹介された数日後には無くなります。
(私の場合は、毎日良い物件が無いか探しており、良物件が掲載されるとその日のうちに内見予約をします。)

内装・外装工事

物件が決まりましたら、次は内装・外装工事です。

物件が「スケルトン物件」なのか「居ぬき物件」なのかによってかなり変わってきますが、
はじめてお店を持つ場合は「居ぬき物件」をお勧めします。

この理由は、初期資金が安くすぐに開店できるからです。

「スケルトン物件」場合、内装・外装工事だけで1000万円かかります。
しかし、お客さんが来なければどうなると思いますか。
資金が底を尽きて倒産してしまいます。早ければ、半年後に倒産するんです。

つまり、半年でこれまで集めた全財産が無くなるリスクがあるのです。
ですので、内装・外装工事が不要な「居ぬき物件」で初めての方は行ってください。

「居ぬき物件」「スケルトン物件」「内装・外装工事」については👇コチラの記事に詳しく記載しております。

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各種法的手続き

では、先ほどお話しました、「食品衛生責任者」「防火管理者」を取得した後に、お店を開店するために必要な手続きについて解説していきます。

まず、必ず行わなければいけない法的手続きは

「営業許可」保健所
「火気設備使用開始届」消防署
「開業届」税務署

こちらの3点はどのような規模の経営でも必要となってきます。

では、どのように手続きを行うのかを時系列的に説明します。

営業許可 手続き

オープン3週間前

●保健所の食品衛生課で面談をネットから電話予約

オープン2週間前

●面談を行い、必要な届け出を確認する。

●立ち入り検査の日程を調節する。

オープン1週間前

●立ち入り検査

オープン直前

●営業許可書を保健所に受け取りに行く

火気設備使用開始届 手続き

オープン3週間前

●消防署の予防課での面談をネットから電話予約

オープン2週間前

●面談を行い、必要な届け出を確認する。

●立ち入り検査の日程を調節する。

オープン1週間前

●立ち入り検査

オープン直前

●各種届出(許可書)を受け取りに行く。

簡単な時系列で示しましたが、申請する日程が早いのは問題ありませんが、遅ければ営業開始日に間に合いませんので、早めの行動を心掛けてください。また、各種書類の受取日は営業開始していても問題ありません。

ここでさらに詳しい話をすると、営業許可にも業種によって種類があります。
今回で言うスイーツ店の場合、

「飲食店として営業許可を取得する」のか、「菓子製造業として営業許可を取得する」かで、開店後に行えることが変わってきます。

それぞれのメリット・デメリットを説明します。

飲食店・菓子製造業のメリット・デメリット

飲食店のメリット
スイーツの他に、コーヒーやスープなどのスイーツ以外を販売することができます。つまり、カフェのような営業が可能となります。(卸売りはできない)
菓子製造業のメリット
スイーツの卸売りを行うことができます。つまり、他のお店やスーパーなどにスイーツを卸すことができないことです。(スイーツ以外を販売することができない)

それぞれにメリット・デメリットがありますので、自身の業態に合わせて営業許可の種類を選んでください。

開業届とその他の法的手続き

ここまで説明しました2つの手続きの他に、「開業届」を提出する必要があります。
開業届はお店の開業後に提出する書類でして、専用のソフトを使用すれば5分で用意することができます。

手続きはe-taxなどのソフトがありますので、こちらで行ってください。
理由を言いますと、こちらで行うことで、税金の控除額が10万円増えるからです。

このほかに、場合によってて手続きが必要なモノがあります。
それは、「道路占用許可」です。

道路占用許可とは簡単に言うと、公道の一部を使用する際に、警察署に提出する届け出です。

例えば、看板や日よけテントなど、店舗の外に何かを設置する場合に届け出を提出する必要があるのです。
日よけテントは大きさや高さに規定があり、基本的には2.5m以上の高さに設置し、50cm以下の幅にする必要があります。
この条件を満たしていれば審査は通ります。しかし、条件に満たしていない場合は審査に通りません。

テントや看板を設置する際には、一度警察署に相談しても良いかと思います。工事業者さんもしっかりとした知識がありますので、見積時に相談すると良いと思います。

材料の仕入れ法

では最後に、材料の仕入れ方法です。

材料の仕入れ方法はスイーツ店で働いていた方なら分かるかもしれませんが、大きく3種類あります。

「スーパーで仕入れる」
「卸業者から仕入れる」
「工場から仕入れる」

費用に関しては、「工場から」仕入れるのが安く、「卸業者から」仕入れるのが最も高いです。
ここでスーパーが最も高くないの?と思うかもしれませんが、送料がかかるため卸業者が最も高くなります。

ですので、店舗の規模によって仕入れる方法を変えて行ってください。
(※小規模の場合、工場からは仕入れられません。)

このように説明すると、皆さん、卸業者から仕入れを行わないと思いますよね。
しかし、卸業者にはスーパーには無いメリットがあるのです。

それは前日に注文すると、当日の開店前に材料を届けてくれることです。そのため仕入れコストは少し高くなりますが、手間がかなり省くことができることが利点です。

ここで押さえておく必要があることは、卸業者から材料を仕入れる場合、事前にルート確保をする必要があります。ですので、ざっと開店の3週間前には連絡を入れ、現地調査を行ってもらう必要があります。

まとめ

スイーツ店の経営についてある程度は理解できましたか。
初めて店舗を持つ方は、行わなければいけない手続きが多くて大変で、しかも全てが初めての経験でネットにも情報が無いことも多いのが現実。

スイーツ店の経営にはリスクがつきものです。情報が無くて分からないからと言って、中途半端な経営してしまうと、取り返しのつかない結果となってしまいますので、しっかりと準備してから経営に取り組んでください。

ここまでのご視聴ありがとうございました。
質問や疑問等がございましたら、気軽にコメントしてください。私がお答えできる範囲でお答えさせていただきます。

この記事を書いた人 Wrote this article

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nizi-blog 経営者 / 男性

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