飲食店経営で必要な事とは?資格、仕入れ、その他契約についても経営者が詳しく解説!

皆さん、こんにちは。虹 社長です。

経営したいなら1度は考えたことがある飲食店経営ですが、実際に経営する場合、何をしたら良いのか分からないことが多いと思います。

今回はそんな飲食店経営について全く分からない方でも、必要な資格、内装・外装工事、仕入れルートの確保、その他の契約について、経営者である私が詳しく解説していきます。

飲食店経営で必要な事とは

飲食店経営で必要な事とは何かと言われても、全く分からないと思います。

大前提、借りる物件によって全く異なってきます。
簡単に言うと、居ぬき物件とスケルトン物件です。この物件について後程詳しく解説していきます。

そして、物件以外に飲食店を経営するには少なくとも2つの資格が必要となります。

その資格とは、

「食品衛生責任者」「防火管理者」

この2つの資格です。

他にも、お酒を提供する場合は、税務署から「一般酒類商売業免許」を取得し、警察署に「深夜酒類提供飲食店営業」の届け出が必要となります。必要に応じて取得してください。

しかし、上記の2つの資格はどのようにして取得するのか分かりませんよね。
でも大丈夫です。この2種類の免許は講習会を受けるだけで取得できるのです。

【食品衛生責任者】資格の取得法

①食品衛生協会で開催される講習会のネット予約をする。(1~2カ月前に予約が必要)

②講習会に参加する(1日)

③講習会当日に「食品衛生責任者」の資格を取得できます。

【防火管理者】資格の取得方法

①防災・防火管理協会で改正される講習会のネット予約をする。(1~2カ月前に予約が必要)

②講習会に参加する。

※講習会は「乙(1日)」「甲(2日)」の2種類があります。双方ともに、取得すると永久的に使用可能ですので、範囲の広い甲を取得してください。

ネット上では、甲は定期講習会の参加が必要と記載されていますが、厳密に言えばほとんどの場合不要です。(規模が大きい飲食店やホテル等の場合にのみ必要となります)

③講習会最終日に「防火管理者」の資格を取得できます。

「食品衛生責任者」「防火管理者」の資格を取得後、所轄の保健所、消防署での手続きが必要ですが、後ほど詳しく解説いたします。

これら2つの資格は物件によらず、経営者であれば必ず必要な資格となります。しかし資格以外の準備は取得する物件によって全く異なってきますので。それぞれ分けて説明していきます。

「居抜き物件」と「スケルトン物件」とでは全く違う

飲食店を開店するためには、物件を借りる必要があります。

この時に「居抜き物件」「スケルトン物件」の2種類が登場します。しかし、なじみの無い用語で不動産の知識が無ければ分からないと思います。それぞれのメリット・デメリットもございますので、簡単に説明します。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、前回のテナントが使用したインフラ設備、機材(キッチン、冷蔵庫など)がそのまま残された状態の物件のことです。

メリット

●内装・外装工事が不要

●使用する設備の購入費用を抑えられる

●工事の見積もりから着工までの期間が無い

●物件取得後、すぐに営業することが可能(場合による)

デメリット

●設備が壊れている可能性がある

●保健所の審査が通らない場合がある

●耐火構造でなければ、火器設備を使用できない。(工事すると可能)

●造作物の費用を請求される(壊れている設備に対しても請求されます)

居抜き物件にもメリット・デメリットがありますが、デメリットがあったとしても、開業資金は圧倒的に少なく、すぐに開業できるという点を踏まえると、初めてお店の経営する方や資金に余裕は無い方にはお勧めです。

また、保健所の審査が通らないというのは、前テナントさんが手洗い場や戸などを邪魔だという理由で取り外していたりする場合です。
かなり狭いテナント以外ではまず起こり得ないことです。1~3坪程度の居ぬき物件の場合は気を付けてください。

スケルトン物件とは

スケルトン物件とは事務所使用の物件のことです。つまり、上下水道、電気、ガス等のインフラ設備が無く、完全に1から工事する必要がある物件です。しかし場所によっては、インフラ設備のみ整っている物件もあります。

メリット

●内装・外装を自分好みにできる。

●保健所の審査が確実に通る

●耐火構造でなければ、耐火構造に工事できる

デメリット

●費用が高い

●開店までに2~3カ月ほどかかる。(賃料が発生する)

居抜き物件と比較すると、スケルトン物件は圧倒的に費用が掛かります。大きさにもよりますが、内装工事だけでも1000万円以上することもあります。

一般的には、物件を取得してから3カ月程度工事に時間がかかり、その分の賃料が発生しますが、フリーレントと言って、初めの数カ月は賃料無料という物件もあります。

居抜き物件で必要なこと

居抜き物件で行う必要があることは何でしょうか。居ぬき物件のメリットでもある、「物件取得後に直ぐ開店できる」と良いように聞こえますが、開店までにすべての契約等を終わらせる必要があるのです。

簡単に必要なことをピックアップしてみます。
ここで説明する内容は、前テナントさんが内装設備を取り壊し、使えない場合です。
ですので、不要な場合は無視してください。

物件取得後に必要なこと

工事

●看板工事

●日よけテントの設置 (※高さ2.5m以上、幅50cm未満にしなければなりません)

●手洗い場の設置(トイレ、キッチンの2か所)

●扉の設置

●2層シンクの設置。1層シンクの場合は食洗器を設置する。

●レジの設置

【届け出】

●営業許可(営業開始の2週間前までに)→保健所

●火気設備使用開始届(営業開始の2週間前までに)→消防署

●道路占用許可→警察署

●開業届(開業後1カ月以内)→税務署

上記を営業開始前に行う必要があります。

この中で一番時間がかかる工事が看板の設置です。日よけテントに関しては、看板設置の業者が一緒に行ってくれるところもあります。

基本的な工事は次のような段取りです。

工事の段取り

●ネット、電話等で問い合わせ

●問い合わせ後、1週間後程度に現地調査。(設置場所、大きさなどの打ち合わせ)

●現地調査の1~2週間後に着工

※看板設置の場合、デザインの作成などに時間がかかりますので、もう少し時間が空きます。

この時注意点ですが、工事を行う上で、4社くらいは見積もりを出してもらってください。そしで現地調査を行わない会社には依頼しないでください。現地調査を行わない会社は、通常の2~3倍くらいの値段をふっかけてきます。

工事費用の目安

●看板工事:30万~40万円程度(大きさ、設置位置、個数による)

●日よけテント:工事費込みで10万円程度

●手洗い場:2か所設置、洗面器・工事費込みで15万円程度

●扉の設置:1か所設置、工事費込みで1万円程度(区画を区切るためパタパタを設置する場合)

●POSレジ:工事費、本体代込みで15万円程度

●シンク:ピンキリです。

工事を行う上で注意点があります。手洗い場、扉等の設置をする前に、店舗の内装写真、図面を持って、保健所、消防署との面談を行い、議事録を作成してください。

面談等を行わずして、工事した場合、審査に通過できなければ工事をやり直しになってしまいます。
しかし、面談を行いそこでどこに何を設置するのかを担当者と打ち合わせを行うと審査に落ちることはありません。

さらに、同時進行で店舗運営する上で必要な届け出を全て聞いてください。

保健所の場合は営業許可のみですが、消防署での手続きは、火気設備使用開始届以外にも必要な届け出がある場合があります。

ここまでの内容を時系列でまとめますと、こんな感じになります。(前述の内容以外にも記載しています)

居抜き物件の開店準備

3カ月前

●商業用不動産を探す

2か月前

●商業用不動産の契約書の作成

1カ月前

★物件の取得

3週間~1カ月前(工事の見積もりは物件取得前でも可)

●壁面看板の予約

●POSレジの設置の予約(クレジット審査に3カ月かかる)

●デリバリーサービスの登録(審査に3カ月かかる)

●QR決済の導入

●火災保険の加入(借家人賠償特約〇〇万円以上と不動産会社から指定がある。)

●材料の仕入れルートを確保

●業務用ゴミの回収依頼

3週間前

●保健所・消防署の事前面談の予約

●看板設置の現地調査

2週間前

●保健所・消防署での面談→「工事内容の打ち合わせ」

→手洗い場・扉等の必要な工事予約

1~2週間前

●工事の現地調査

→保健所・消防署からの立ち入り検査の日程調節

1週間前

●すべての工事の着工

●立ち入り検査

●グーグルマイビジネスにビジネスを登録。

●Instagramのプロ(ビジネス)アカウントの作成

開店

●開業届の提出

上記が全てではありませんが、基本的な必要事項です。
これらの点をしっかりと行えば、法律的に問題は無く、開店後もスムーズに業務をこなせると思います。

また、仕入れルートの確保については、出店地域、店舗規模によってかなり異なってきます。この仕入れルートに関しては後ほど解説いたします。

スケルトン物件で必要なこと

スケルトン物件は居ぬき物件と違い、必要な準備はほとんどありません。
と言うのも、内装・外装工事業者が一括で全て行ってくれるからです。

そのため、法律関連も気にせず、全部お任せで問題ありません。しかし、業者によっては費用が全く異なりますので、見積は複数出してください。

スケルトン物件の開店準備はこんな感じになります。

スケルトン物件の開店準備

3カ月前

★物件取得★

●内装・外装業者に見積もり・工事依頼・工事着工

●導入機材の購入(予約)、工事後に導入

1カ月前

●POSレジの設置の予約(クレジット審査に3カ月かかる)

●デリバリーサービスの登録(審査に3カ月かかる)

●QR決済の導入

●火災保険の加入(借家人賠償特約〇〇万円以上と不動産会社から指定がある。)

●材料の仕入れルートを確保

●業務用ゴミの回収依頼

2週間前

●保健所・消防署に届け出

1週間前

●保健所・消防署の立ち入り検査

●グーグルマイビジネスの登録

●Instagramのプロ(ビジネス)アカウントの登録

開店

●開業届の提出

スケルトン物件の特徴は基本的なことは、内装・外装業者に丸投げで良いので、かなり楽ですが、その分費用が掛かります。しかし、ここで契約をとるよりかは安く済みますので、必ず内装・外装業者に依頼してください。

材料の仕入れルートの確保

初めて飲食店を出店しようと案が得ている方は、材料をどのように仕入れるのか分かりませんよね。

近くのスーパーで仕入れても良いのですが、大量に購入すると、他のお客様のご迷惑になりますし、業種によっては、小麦粉を100㎏以上使用する業種もあります。

このように大量に材料を仕入れなければならない場合、そのように仕入れルートを確保する必要があるのか。

仕入れ方ルートの確保には次の3種類の方法があります。

仕入れルートの確保

●1つの仲介業者に使用するすべての材料をまとめて発注する。

●複数の仲介業者に取扱商品ごとに材料を発注する。(野菜、お肉、小麦粉など)

●工場から直接仕入れる。

この3種類ですが、費用は「工場から」「複数の仲介業者」「1つの仲介業者」の順に安く仕入れることができます。(例外もあります)

しかし、発注には最低ロット数があり、店舗の規模によっては利用できない業者がありますので、問い合わせなければ利用できるか分かりません。問い合わせ方法は企業ホームぺージの専用フォーマットがありますので、電話かメールで問い合わせてください。

また、スーパーで仕入れることも可能ですが、その場合は事前に取り置きの相談を行うのが良いと思います。

スーパーで仕入れるのと業者から仕入れるのとでは、値段や運送が異なってきます。
一般的には仲介業から発注するよりも、スーパーで購入する方が安いです。

しかしには問題点があり、旬でない野菜やフルーツは仕入れることができなく、材料を自身で運ぶ必要が出てきます。
この点をクリアできれば、1店舗目の経営に関しては、スーパー経由が最もコストを安く抑えられます。

まとめ

飲食店を経営する上で、取得する物件の違いによって、開店準備が全く異なってきます。他にも、法的な手続きの方法など、事前の議事録をとると言った手間も出てきます。

はじめて経営する方にとっては、居ぬき物件での手続きはかなり面倒ですが、1度しっかりと行うことができるとかなり経営者さんの能力値も上がります。2店舗、3店舗目の開店をする場合にはかなりのアドバンテージになり、当たり前のように準備ができると思います。

最後までご視聴ありがとうございました。何か疑問点など質問がございましたら、コメントしてください。私がお答えできる範囲でお答え致します。

この記事を書いた人 Wrote this article

nizi-blog

nizi-blog 経営者 / 男性

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