飲食店で「競合が多い」とは?実際の意味合いは現実とかけ離れている!飲食店経営者が詳しく解説!

皆さん、こんにちは。虹 社長です。

今回は飲食店は競合が多く、競争率が高いとよく耳にすると思いますが、実際にはどのような意味合いで用いられているのかを解説していきます。

と言うのも、単に競合が多いと言っては実際の「競合が多い」という意味合いの3割も理解できていなのです。
競合が多いからこそ、様々な対策が必要で安易に手を出してはいけない領域なのです。

今回は「競合が多い」という一般的な意味合いから、経営者ならではの視点で「競合」に織り込まれた情報についても詳しく解説していきます。

競合が多いとは

皆さんは競合が多いと聞くと「近くに飲食店が多い」「競争率が高い」と想像すると思います。それも間違いではなく正しいのですが、いざ経営をするとなると、その情報だけで他の店舗と競っては勝てないのです。

では競合が多いとは、実際にどのような意味なのでしょうか。
実際「競合が多い」とは2種類の考え方をすることが多いため、先にその例について説明していきます。

周囲に飲食店が多い事

周囲に飲食店が多ければ、その分お客様は分散してお店に来店します。

例えば、周辺に飲食店が10店舗ある地域にがあるとします。そして、その地域では1日1000人のお客様が飲食店を利用するとします。

この場合、通常お客様は分散して飲食店を利用する為、一店舗あたり100人のお客様が来店します。
これが飲食店が多ければお客様が利用する飲食店が分散し「競合が多い」「競争率が高い」と言われる所以です

その為、普通であれば飲食店が密集していない地域に出店しようと考えると思います。

具体的には「周辺に5店舗しか飲食店がない地域」を探します。
この時、1日に500人のお客さんが飲食店を利用する地域で、なおかつ、飲食店が5店舗しかない場合あれば、出店すべきだと思いますか。
答えはNoです。

実際に計算してみましょう

① 1日1000人が飲食店を利用する地域に飲食店が10店舗ある
② 1日500人が飲食店を利用する地域に飲食店が5店舗ある
①,②のどちらに新規店舗を導入するのが良いのでしょうか。

それぞれの地域で店舗数を1店舗増やすと分かりやすいですね。
①の場合、1000人のお客様を11店舗で分けるため、1店舗当たり91人です。
②の場合、500人のお客様を6店舗で分けるため、1店舗当たり、83人です。

正解は①ですね。
つまり、競合が多いからと言って、飲食店が少ない地域に安易に出店するのは良くないのです。

似たジャンルの飲食店が多い

他にも「競合」が多い地域であれば、少ないジャンルの飲食店を出店すれば良いと考えますよね。

具体的に言えば、周辺地域にイタリアンのお店が少ない場合に、イタリアンの料理を提供するお店を出店しようとすることです。

これは正しいです。しかし100%正しいわけではありません。

隠された危険性とは

先ほど「競合」が多いという理由で、飲食店が少ない地域に出店する例を挙げましたが、他にも大きな問題点があるのです。

飲食店が少ないというのは何かしらの理由があるのです。
それは「お客様が少ない」「立地が良くない」「すぐに閉店してしまう」など…

ジャンルを変えて出店する例は一見良く見えますが、倒産してしまう危険性がかなり高いのです。

その理由はイタリアンを例として挙げますと、
周辺にイタリアンを好んで食べる人がいない可能性があるからです。

客観的に考えた場合、イタリアンはどのような層の人が食べる料理ですか。
女性ですよね。

イタリアンのお店で働いたことがある方は分かるかもしれませんが、女性が友達と食事に来ることが多いのです。であれば、飲食店が多い地域に出すのは正解でしょうか?

飲食店が多い地域は居酒屋や中華系が多く、仕事終わりのサラリーマンの方が食事を行うような地域となります。
その地域に、女性ターゲットのお店の出店は良い案ではありません。さらには、近くにカフェなども有るはずですから、間違いとは言えませんが、女性をターゲットにするのはリスクが高すぎます

つまり「競合が多い」と一般低に言われている内容ですら、ジャンル変えるという選択をとってしまうと倒産する可能性があるという危険性が隠れているのです。

一般的な解釈ですら隠れた危険性があるので、単純な言葉を鵜呑みにして経営をスタートすることは極めて危険なのです。さらにはこの一般的に解釈されている以外にも「競合」と言う言葉を経営と言う立場で考えた場合、他の危険性が隠れているのです。

飲食店の「競合」は文字通りの意味ではない

先ほど言いました「競合」の所で説明しました内容は、しっかりと集客ができていることが前提なのです。
要するにチェーン展開している飲食店であれば、先ほど言った内容を鵜呑みにして始めても良いのです。

しかし個人経営や初めて飲食店をスタートする方はこれではいけません。
それはこの「競合」という言葉の中には、宣伝・集客の難しさが含まれているからです。

お客様目線で見て、初めて理解できる。

では宣伝・集客の難しさとはどのようなことでしょうか。正直のところ、経営経験をしなければ、この難しさのポイントを見つけることは困難です。

では実際にどのような事なのかを説明していきます。

宣伝・集客の難しさは、見出しにもあるように、お客様の視点で考えることで見えてきます。
皆さんは飲食店にどのように行きますか?
「交通手段は?」「調べるサイトは?」「待ち時間はどれくらい許容できる?」などなど

このようにお客様だから分かる視点があると思います。
これを経営者目線で考えると、
お客様の「行動範囲」「調べるサイト」「周囲の飲食店のジャンル」などなど

これだけ言っても難しいかもしれませんし、都内とそれ以外の地域でもかなり変わってきます。
今回は都内に焦点を当ててお話します。(都内の方が圧倒的に難しいので)

都内のお客様の行動範囲はどれくらいかと言いますと徒歩5分圏内となります。と言うのも、目的の飲食店に行くために10分も歩いたりはしません。車の場合は20分も運転したりしますが、徒歩と比べると労力が断違いますから。

この点を踏まえると、飲食店が多い駅周辺に店舗を構える必要があるのです。そして分かりやすく、視認性がい良い大通り沿いにお店を出す必要があります。

ここで注意点ですが、大通りから1本でも道を離れてしまう、全くお客さんが来なくなるのです。
そのため家賃が安いからと言って、大通りから離れた場所に出店しないでください。

他にも、周囲の飲食店のジャンルも重要となります。実際はどのような飲食店に行くのかを考えた時、中華が食べたい場合は中華街へ行ったりします。つまり、その場所へ行くと、中華が食べられると言った大雑把なイメージで、お店を調べない状態で飲食店に行くことが多いと思います。

そのため、周辺に同じような業態であっても良いのです。その場合は立地と商品のクオリティが重要となってきます。ここでもお気づきかもしれませんが、駅前にイタリアンのお店ってありますか?無いですよね。これは駅前にイタリアンのお店を出店してもお客様が来店してくれないからなんです。

最後に、調べるサイトがと言うのが出てきましたが、ここが大きなポイントなんですので、これから解説します。

「競合が多い」に織り込まれた情報とは

飲食店経営で「競合が多い」という用語に織り込まれた重要な情報は、お客様がサイトやネットで検索したする時に重要なんです。

結論を言うと、周辺に店舗が多すぎる場合、サイト等で検索しても自身のお店がヒットしないということです。

これが私が考える「競合が多い」という用語の最大のポイントで、最も重要な見逃しては経営で成功できないのです。
競合が多いという仔とは、それだけお客様にお店を知って頂く必要があります。しかし検索でヒットしなければ、知名度はおろか、お客様は全く来店してくれません。

つまり、周囲に飲食店が多い場合は、必ず、大通り沿いにお店を出す必要があるのです。
と言うのも、お客様が歩道を歩いている時にお店を知ってもらうことが必要なんです。
要は、ネット・サイト検索では集客は難しいということです。

ここで、SEO対策やMEO対策などで認知してもらえばよいのでは?と考えるかと思いますが、それはどの店舗も行っていることですので、効果はありますが、自然とお店を認知してもらうという効果には遠く及びません。

しかも人通りが多いところに人は集まる習性がありますので、立地を誤ってしまうと、取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。

まとめると、競合が多いところは飲食店を出店する場所であると同時に、好立地の場所以外は出店してはいけない地域でもあるのです。

選択を誤ると倒産の危険

ここまでで、競合が多い地域の出店について理解できたと思いまうすが、実際にどのように倒産するルートをたどるのかを説明していきます。

倒産をたどるルートは2つあります。
①つ目は「立地を間違える」
②つ目は「ジャンルを間違える」

ここまで読んだ皆さんにとっては当たり前かもしれませんが、この2つ以外のミスは倒産にはつながりません。

上記の例で挙げた2つは同じ倒産に繋がりますが、同じルートをたどった倒産ではないのです。
では、それぞれについて解説していきます。

立地を間違える倒産ルート

宣伝しても効果が薄く、集客につながらない。

開店当初から赤字続きで即倒産する。

ジャンルを間違える倒産ルート

開店当初からお客さんが来ないが、宣伝すると集客ができる可能性がある。

うまくいけば、常連さんができ、経営を成功できる場合がある。

この2つの違いは、宣伝効果です。

立地を間違えた場合は、宣伝効果も薄くなるため、間違いなく倒産してしまいます。

ジャンルを間違えるパターンは少し複雑ですが、嗜好品の場合は倒産してしまいます。
嗜好品以外の場合は、博打要素はありますが、資金に余裕がある場合は成功できる可能性があります。
(※ジャンルを間違えて成功できる経営者さんは、有能すぎると言っても過言ではありません。間違いなく大物に成れます)

ここで、嗜好品の場合は倒産すると言いましたが、それはどういう理由か説明します。

嗜好品の店を出すと倒産する理由

ジャンルを間違えるということは、周辺地域に住んでいる客層を誤って認識してしまっていることです。

具体的に言うと、地価が安く、所得層が低い、生活に余裕が無い方が住んでいる地域に嗜好品を売り出したところで、お客さんに購入する余裕はないということです。

嗜好品の例として、スイーツ店を挙げますが、
要は、近くにスイーツ店が無い地域は、生活に余裕がない人が多く、嗜好品のお店を出店してはいけないということです。

特定の業態が全くない地域は、それなりの出店できない理由が隠れているというのと同じことで、スイーツ店が無い場合、又は、それ以外のジャンル、例えば、イタリアンやフレンチが無い地域にはそれなりの理由があります。その理由をしっかりと理解し、分析した後にお店を出店してください。

見つけられない場合は、経営経験のある方に相談すべきなのです。

まとめ

ここまでで、飲食店の「競合」について説明してきました。

「競合」とは一言で言うと、競争相手が多いことですが、単にそれだけを考えてはいけないのです。
この理由は、「競合」という用語を経営者目線だけでしか判断できないからです。しっかりと、お客様を考慮した経営者目線で見るべきなのです。

つまり、ジャンルや集客だけを考えるのではなく、お客様利用するありとあらゆる手段を分析すべきと言うことです。

ここまでかなり難しいかもしれませんが、立地とジャンルさえ間違えなければ、大きな失敗はしませんので、このポイントだけは押さえておいてください。

ここまでご視聴ありがとうございました。
疑問点や質問等があれば、気兼ねなくコメントしていただけますと、お答えできる範囲でお答え致します。

この記事を書いた人 Wrote this article

nizi-blog

nizi-blog 経営者 / 男性

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